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私の南伊豆留職日記vol.04:タダ サチノ【何度でも帰ってきたい南伊豆町】

こんにちは。『南伊豆新聞』編集部のさちのです。皆さん、お元気にしていますか。

現在私は、地元の神奈川県からこの記事を書いています。

というのも3月末。3ヶ月弱の編集プログラムが終了し、南伊豆を出発しました。

あっという間に過ぎていった3ヶ月間。自分と向き合った時間も多かったはずなのに、まちの人と過ごした記憶ばかりが、よみがえります。

あるときは、看護師をしながら、ハーブの調合をしているまなみさんの自宅に招いていただいたり。

またあるときは、造園業を営む加賀拓巳さんの現場に、1日同行させていただいたり。

これまでの生活では、想像がつかなかった人や経験。出会いの連続でした。

直接関わってくださった皆さん、お会いできずとも、この記事を読んでくださっている皆さん、ありがとうございました。

今回の留職日記では、南伊豆での最終週のこと。皆さんに、感謝の気持ちを込めてかたちにした「お試し店舗」について、書きたいと思います。

感謝を伝える。 そんな場をつくりたい。

南伊豆から出発する3日前。

私は「ローカル×ローカル」のスタッフ企画として、宿の屋台を使ってお試し店舗をやりました。

お花屋さんと、コーヒースタンドの1日限定店舗。

まちの人たちに「感謝を伝える場」をつくりたいと思ったのが、この企画のはじまりです。

今回コラボレーションしてくれたのが、「毛倉野生花店」さんと、「moksa coffee」さん。どちらも南伊豆滞在中にお客さんとして行き始めた、お気に入りのお店です。

店内に入った瞬間、ぶわっと広がるドライフラワーの香り。天井まで飾られている色とりどりのお花。そして、一つひとつの植物に愛情を持って接している、店主の山本さん。

どこを切り取っても、何度も通いたくなるお花屋さんです。

お試し店舗について話をすると、店主の山本さんは、花の包み方まで時間をかけて説明してくれました。

また、場をつくる上で大切にしたかったのが、時間を気にせず、一息つける空間にすることでした。

そこで頭に浮かんだのが、コーヒーを片手にお客さんがくつろいでいる光景。

南伊豆新聞でも取材させてもらった「moksa coffee」さんのお豆を使って、コーヒーを淹れたいと思いました。

(以前取材させていただいた、「moksa coffee」さんの記事はこちらからご覧いただけます。
コーヒーを介して集う“まちの交差点に。” moksa coffee店主〜服部文雄さん〜

今回のイベントでは、限定で2種類のお豆を用意しましたが、蝶ヶ野にある「moksa coffee」では常時10種類以上の豆を用意しています。

店主の服部さんが、豆の厳選から焙煎、ハンドドリップまで丁寧におこなっているmoksa coffee。ぜひ、蝶ヶ野の店舗にも足を運んでみてほしいです。

山本さんの本気に触れた、オープン前日。

山本さんとの事前の打ち合わせ。当日は、3種類の花を用意してくれる予定で話は進みました。しかし、前日の準備で山本さんと合流すると、なんとこの種類。

山本さんがトラックの荷台を開けたとき、私の頭には「?」が浮かびました。

そんな私に対して、「打ち合わせ通り、3種類のお花を用意しようかとも思ったのですが、やっぱりやるからには本気でやらせてください」と山本さん。

持ってきてくださった花の数に、本気度が伝わってきました。

出会ったばかりの私に、こんなにも向き合ってくれるかっこいい大人がいる。

私もこんな大人になりたいです。山本さん、ありがとうございます。

結局、支えられて生きている。

自分の挑戦を、応援してくれる人たちがいる。ただ、一人でお店を回すのは現実的じゃないと判断した私は、南伊豆の地域おこし協力隊のりなこちゃんに手伝いをお願いしました。

もともとコーヒー屋で働いていた、りなこちゃん。

りなこちゃんのおかげで、moksa coffeeのこだわりの味をお客さんに届けることができました。

私ひとりでは出来なかった場所

もともと、「このまちの人たちに感謝の気持ちを伝えたい」という想いから始まったお試し店舗。

一方で、「こんなにも協力してくれた方たちがいるのに、誰も来なかったらどうしよう…」

当日のオープンを迎えるまで、不安の波にのまれそうな自分がいました。

でも、「その日は予定がある」と言っていたのに、なんとか時間をつくって来てくれた方。

自分のお店も営業しているなか、合間を見て足を運んでくれた方。

わざわざ車を走らせて遠いところから来てくれた方。

一緒につくり上げてくれた方たちに支えられ、来てくれた皆さんからは元気をもらい、あっという間に時間が過ぎていきました。

3ヶ月しかこのまちにいない私に対して、こんなにも真正面から向き合ってくれる人たちがいること。

お客さん同士で会話が生まれている光景を眺めながら、本当に自分は幸せ者だなぁと感じる1日でした。

何度でも、帰ってきたい場所に。

このまちを出てから、早くも2ヶ月近くが経ちます。

充実した毎日を送っている一方で、毎日南伊豆のことを思い出している自分もいて。

下賀茂商店街にあるベトナム料理屋さん「oh! pho」のぐぃさんだったり、アーユルヴェーダについてお話してくれた「自然派美容室 杜とあお」のみよこさんだったり…。

ふと会いたいと思える人が、このまちにはたくさんいます。

自分が3ヶ月の間で何ができたか、正直今は分かりません。むしろ、思い返すといつも支えてもらってばかりで、与えてもらってばかりで…。

でも、胸張って言えることがあります。

「南伊豆に来て、本当に良かった」と思えること。

それは、このまちで出会えた大切な人たちがいるからです。

何度でも訪れたい南伊豆町。次に行ったときは、どんな再会や出会いがあるのかな。

またすぐに遊びに行きます。そのときに、再びお話ができたら嬉しいです。

編集部:多田祥野

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