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“健”と“真”。共に歩む らーめん屋、永吉丸

お店に入ると、矢沢永吉の『I SAID I LOVE YOU』が流れていた。

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店内はいつもY・A・Z・A・W・Aの音楽が流れている。

でも、店主の斉藤健太郎さんは、僕が勝手にイメージしている“永ちゃんファン”の雰囲気とはちょっと違っていた。

店主の健太郎さん。東京出身。永ちゃんのようにメラメラ・ギラギラした方というより、取材中ゆっくり話される物腰のやわらかい方でした。奥さんの〇〇さんは南伊豆のご出身。2人は東京で知り合いご結婚。

店主の健太郎さん。東京出身。永ちゃんのようにメラメラ・ギラギラした方というより、取材中ゆっくり話される物腰のやわらかい方でした。奥さんのまりさんは南伊豆のご出身。2人は東京で知り合いご結婚。

「2人とも永ちゃんファンと言えばファンなんだけど、すごい純粋なファンってわけではないんだよね(笑)。カミさんの弟が大ファンだったんだ」

こちらが真太郎さん。南伊豆で漁師をされていた。2012年に他界

こちらがまりさんの弟、真一郎さん。南伊豆で漁師をされていた。2007年に他界

永吉丸ができるまでの時間と、らーめんに対する思いを伺いました。

 

自分の味を追求したらーめん屋をやりたかった

永吉丸は、2015年3月1日にオープン。

お店の名前は真一郎さんの船「永吉丸」からとったものだ。

永吉丸では「真らーめん」「つけ麺」「健らーめん(塩・醤油)」の3つのラーメンを提供している。

健太郎さんは24歳のときに東京のらーめん屋に弟子入り。それまでは土木のお仕事や喫茶店などのアルバイトをしていた。「将来どうしようか悩んでいたときに、ふと思ったんだよ。らーめんをやろう。ずっと昔から好きだったのはらーめんだ、ってね」

健太郎さんは24歳のときに東京のらーめん屋に弟子入り。それまでは土木のお仕事や喫茶店などのアルバイトをしていた。「将来どうしようか悩んでいたときに、ふと思ったんだよ。らーめんをやろう。ずっと昔から好きだったのはらーめんだ、ってね」

健太郎さんは、北海道の味噌らーめん専門店や醤油らーめんに力を入れているお店など、5つのお店で腕を磨いてきた。

「豚骨、塩、醤油、味噌、作り方が全く違うから全部学びたいと思ったんだよ」

追求したい味を求めてお店を移ったのか!

らーめんに対する探求心がすごい。

健太郎さんは「いつか自分のお店を出したい。いつかオリジナルのらーめんを作りたい」と思っていたときに真一郎さんの悲報が届く。

「カミさんのお父さんも早くに亡くしていたから、お母さん(義母)が1人になってね。弟が使っていた事務所も空っぽになったから、その場所をお店として使わせてもらおうと思ったんだよ」

なるほど。それで南伊豆にお店を構えることになったのか。

よく見ると『永吉丸事務所』と書いてある。弟さんが使っていたときの名残りなんだそう。「初めて入るお客さんはすこし混乱するみたいだけど、消したくなくてさ」と健太郎さん。

よく見ると『永吉丸事務所』と書いてある。弟さんが使っていたときの名残りなんだそう。「初めて入るお客さんは、すこし混乱するみたいだけど、消したくなくてさ」と健太郎さん。

最初に感じた、ちょっとした違和感はこれだったのか。

やわらかい印象を持った健太郎さんの雰囲気と店内に流れる矢沢の曲や、「永吉丸事務所」という文字がやっと繋がった気がした。

今も永吉丸は、弟の真一郎さんのお店でもあるんだ。

健太郎さんたちは南伊豆と東京を行き来しながら、開店までの準備を進めていた。

準備には、3年かかったそう。

「働いていたラーメン屋で自分の味は作れないから家庭用の鍋を使って家で練習したよ。なかなかうまくいかなくて、カミさんにはたくさん試食させたね」。「もう嫌いになりそうなくらいラーメンを食べましたよ(笑)」と奥さん。

「働いていたらーめん屋で自分の味は作れないから家庭用の鍋を使って家で練習したよ。なかなかうまくいかなくて、カミさんにはたくさん試食させたね」。「嫌いになりそうなくらいらーめんを食べましたよ(笑)」とまりさん。

試行錯誤の末、ついにオリジナルらーめんが完成。

それが現在の看板メニュー「真らーめん」と「健らーめん」だ。

真らーめんは弟の真一郎さん、健らーめんは健太郎さんの名前からとったもの。

お待たせしました! まずは真らーめん(特)。

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真ラーメンは魚介豚骨がベース。カツオ、サバでダシをとったコッテリしすぎないスープが特徴。

真らーめんは魚介豚骨がベース。カツオ、サバなどでダシをとったコッテリしすぎないスープが特徴。

一口食べると、まろやかな魚の風味が口の中に広がる。

しばらくその余韻に浸りたくなるほどのらーめんだ。

豚骨が苦手な人でも食べやすいと評判なのだそう。

そして、こちらは健らーめん。

健ラーメンは、塩と醤油の2つから選べる(左から塩、醤油)。毎週木曜日限定のラーメンだ。※木曜日は健ラーメンのみ

健らーめんは、塩と醤油から選べる(左から塩、醤油)。毎週木曜日限定のらーめんだ。※木曜日は健らーめんのみ

健らーめんは、鶏がらスープのみで食材の味だけを活かしたらーめん。

どちらもあっさりとしたやさしい味が特徴だ。

僕は健らーめんを頼むとついつい最後までスープを飲み干す。

常連さんの間では、子どもにもやさしいらーめんとして知られている。

「東京にいるとき、趣味が食べ歩きだったから、いろんなラーメンを食べ歩いて研究してね。そのときに調味料を使っていないラーメンに出会って衝撃を受けてたんだよ。『なんだこの味!こんなラーメンがあるのか・・・自分も作ってみたい!』って」。ちなみに、奥さんの趣味も食べ歩き

「東京にいるとき、趣味が食べ歩きだったから、いろんならーめんを食べ歩いて研究してね。そのときに化学調味料を使っていないらーめんに出会って衝撃を受けてたんだよ。『なんだこの味!こんならーめんがあるのか・・・自分も作ってみたい!』って」

「でも、まずは定番の真らーめんを食べて欲しいね。もし魚介系のらーめんが苦手な人は健らーめんがオススメかな」と健太郎さん。

「うちはらーめん専門だから餃子とかチャーハンはないんです。そこを理解してもらったうえで、気に入ってもらえたら」とまりさん。

最後に、健太郎さんが話してくれたのは、開店をサポートしてくれた人たちへの感謝だった。

「今の永吉丸があるのは、真一郎の周りの友達や先輩たちのおかげなんです。南伊豆出身じゃない僕を受け入れてくれて、開店を後押ししてくれた。本当に感謝しているんです」。

“3人”が作り上げる永吉丸のらーめん。

ぜひともらーめん一筋、健太郎さんの渾身のらーめんを食べて欲しい。

ときどき、矢沢の音楽に耳を傾けながら。

【永吉丸】
場所:〒415-0153 静岡県賀茂郡南伊豆町手石800-4
電話:0558-62-5750
営業時間:11時~17時
定休日:火
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永吉丸

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