“健”と“真”。共に歩む らーめん屋、永吉丸 2018.7.27
お店に入ると、矢沢永吉の『I SAID I LOVE YOU』が流れていた。
店内はいつもY・A・Z・A・W・Aの音楽が流れている。
でも、店主の斉藤健太郎さんは、僕が勝手にイメージしている“永ちゃんファン”の雰囲気とはちょっと違っていた。
「2人とも永ちゃんファンと言えばファンなんだけど、すごい純粋なファンってわけではないんだよね(笑)。カミさんの弟が大ファンだったんだ」
永吉丸ができるまでの時間と、らーめんに対する思いを伺いました。
自分の味を追求したらーめん屋をやりたかった
永吉丸は、2015年3月1日にオープン。
お店の名前は真一郎さんの船「永吉丸」からとったものだ。
永吉丸では「真らーめん」「つけ麺」「健らーめん(塩・醤油)」の3つのラーメンを提供している。
健太郎さんは、北海道の味噌らーめん専門店や醤油らーめんに力を入れているお店など、5つのお店で腕を磨いてきた。
「豚骨、塩、醤油、味噌、作り方が全く違うから全部学びたいと思ったんだよ」
追求したい味を求めてお店を移ったのか!
らーめんに対する探求心がすごい。
健太郎さんは「いつか自分のお店を出したい。いつかオリジナルのらーめんを作りたい」と思っていたときに真一郎さんの悲報が届く。
「カミさんのお父さんも早くに亡くしていたから、お母さん(義母)が1人になってね。弟が使っていた事務所も空っぽになったから、その場所をお店として使わせてもらおうと思ったんだよ」
なるほど。それで南伊豆にお店を構えることになったのか。
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最初に感じた、ちょっとした違和感はこれだったのか。
やわらかい印象を持った健太郎さんの雰囲気と店内に流れる矢沢の曲や、「永吉丸事務所」という文字がやっと繋がった気がした。
今も永吉丸は、弟の真一郎さんのお店でもあるんだ。
健太郎さんたちは南伊豆と東京を行き来しながら、開店までの準備を進めていた。
準備には、3年かかったそう。
試行錯誤の末、ついにオリジナルらーめんが完成。
それが現在の看板メニュー「真らーめん」と「健らーめん」だ。
真らーめんは弟の真一郎さん、健らーめんは健太郎さんの名前からとったもの。
お待たせしました! まずは真らーめん(特)。
一口食べると、まろやかな魚の風味が口の中に広がる。
しばらくその余韻に浸りたくなるほどのらーめんだ。
豚骨が苦手な人でも食べやすいと評判なのだそう。
そして、こちらは健らーめん。
健らーめんは、鶏がらスープのみで食材の味だけを活かしたらーめん。
どちらもあっさりとしたやさしい味が特徴だ。
僕は健らーめんを頼むとついつい最後までスープを飲み干す。
常連さんの間では、子どもにもやさしいらーめんとして知られている。
「でも、まずは定番の真らーめんを食べて欲しいね。もし魚介系のらーめんが苦手な人は健らーめんがオススメかな」と健太郎さん。
「うちはらーめん専門だから餃子とかチャーハンはないんです。そこを理解してもらったうえで、気に入ってもらえたら」とまりさん。
最後に、健太郎さんが話してくれたのは、開店をサポートしてくれた人たちへの感謝だった。
「今の永吉丸があるのは、真一郎の周りの友達や先輩たちのおかげなんです。南伊豆出身じゃない僕を受け入れてくれて、開店を後押ししてくれた。本当に感謝しているんです」。
“3人”が作り上げる永吉丸のらーめん。
ぜひともらーめん一筋、健太郎さんの渾身のらーめんを食べて欲しい。
ときどき、矢沢の音楽に耳を傾けながら。
【永吉丸】
場所:〒415-0153 静岡県賀茂郡南伊豆町手石800-4
電話:0558-62-5750
営業時間:11時~17時
定休日:火
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